眠る前の歯磨きに洗面所へ向かおうとした時携帯が鳴った。着信は友人Y子
彼女との電話は昔から長話になる。ましてこんな珍しい時間ではお酒も飲んでると思う。
私もキッチンへ行き、飲み物とってこようかな?と考えたけど、リビングには夫がいる。女同士のおしゃべりはあんまり聞かせたくない。
コール音3回の僅かな時間でこれだけのことを一瞬で考えて、そのまま寝室へ上がろうとした。
5回目のコールの途中でに受話器をとった。
「もしもし、○○Y子はご存知ですか?」と若い女の子の声。Y子ではない。
何?誰?とすごく違和感があったけど、実はコール音が鳴ってる4回目あたりから、微かにザワつく予感はしてたのだ。
「どちら様?」ちょっと警戒気味に、でもこの電話の主をなんとなくは特定してる。
「私は、Y子の娘です。母が亡くなりました」
いい話の電話ではないことは予感はしてた。よく聞く第六感とかなんだろうか
それでもその予感を遥かに超える電話だった。絶句するしかなかった。
Y子の長女は葬儀のお知らせを、Y子の携帯アドレスから手当たり次第に、こうして連絡してるらしい。
娘さんにしてみれば母親の携帯アドレスの名前など、誰が誰だかさっぱりわからず、アドレス名もニックネームだけだったり、旧姓だったり、嫁ぎ先名とバラバラらしい。
私はといえば、娘さんに会ったのは小学生の頃。覚えてはないみたい。
亡くなったのは車の中、事故ではない。高速道路のパーキングエリア。
医者の立ち会いがないと死因は特定できないので、司法解剖に廻っていてY子はやっと家に帰ってきたそうだ。
そして友引が重なって亡くなってから5日後に葬儀が決まったので最後のお別れをして下さいと。
私の娘と同じ年のY子の長女に何故亡くなった?と死因を電話口で聞くのも酷で、なぜなぜ?と思いつつ、斎場の場所をメモり「お力を落とさぬよう」と言うだけしかなっかた。
電話を切って、もっと慰めの言葉とかなかったか?娘と同じ年で母を亡くしたY子の長女の心情を思ったけど、やっぱりかける言葉ってなかったと思う。
書いてると、思わぬ長くなったのでまた続きは書きます。